この記事では、築27年の中古戸建てを購入した私が、実際に住んでみて感じたことを紹介します。
前回の記事では購入を考えるうえでの中古戸建てのメリットを紹介しました。今回は、実際に住んでみて感じたことを、メリット、デメリット含めて書いていきたいと思います。
戸建て住宅の特徴

筆者はこのたび、マンションから戸建てに引っ越しました。家族構成は、夫、妻、子供(6才&2才)の4人家族です。子育て世代の一家が、「戸建て」に引っ越して感じたことを紹介します。
生活音と外の音
前回の記事でも書きましたが、やはり、子供が走っても下の階の人に気を遣わなくてもいいのが、戸建てのいいところだと思います。子供が廊下を全力ダッシュしても、ソファで飛び跳ねても、自由にやっていいよ!と余裕で構えていることができます。
ただ、外との距離が近い部屋では生活音が外に漏れることがあり、注意が必要です。
我が家の例で言うと、ピアノの部屋は奥まった所にあります。なので、ピアノを弾く音は外から聞いてみてもほとんど聞こえません。一方、道路に面しているお風呂では、大きい声を出すと外からよく聞こえるようです。
また、道路に接している部屋では、通行人の声などがよく聞こえます。時には、くしゃみや、自転車に乗りながら熱唱している歌声も、はっきりと聞こえます…。
なので、外と近い部屋ではあまり大きな声で話さないように気をつけています。
寒さ、暑さについて
戸建てはマンションと比べて寒い、というのはよく聞く話ですが、これはその通りだと思います。戸建ては四方を外気に晒されているので、壁、天井、さらには床下からも冷気が入ってきます。マンションに住んでいた時と比べると冬の冷え込みが強いように感じます。
特に中古物件は新築と比べて断熱が不十分なことも多いようです。我が家はホームインスペクションで天井裏、床下の断熱具合を調べました。結果は「天井の断熱はしっかりしているけど、床には全然断熱材が入っていない」とのことでした。……なぜ??
少しでも寒さを和らげるために、窓を簡易キットで2重にして断熱したり、断熱マットを床に敷いたりと工夫をして暮らしています。
窓のDIYについては夫が記事を書いていますので、こちらもご覧ください。
①簡易キットで窓の内側に枠を作り、二重窓化する方法↓
②窓ガラスに中空ポリカ板を貼り、窓の防犯性・断熱性を高める方法↓
一方、北向きの家であるためか、夏の暑さはあまり気になりませんでした。北向きの家は日当たりがよくないとして嫌厭されがちですが、夏の暑さが和らぐという点はメリットかもしれません。
「外」との距離が近い
戸建ての特徴として、「外との距離が近い」ということがあります。なかには、防犯的によくないのでは…と考える方もいるかもしれません。戸締りをきっちりするなどの対策が必要なのは確かです。
一方、「外との距離が近い」ことにはメリットもあります。その一つが、自転車や車と家との行き来がかなり楽ということです。
うちの前の道路はそこまで車の行き来が多くないのもあり、お出かけ時、子供を自転車の座席に座らせて忘れ物を取りに行くこともできます。
また、もう一つのメリットとして、マンションに住んでいた時と比べて気軽に外に出るようになった気がします。
公園やスーパーへのお出かけはもちろん、家の周りのスペースでも色々と遊べます。
最近、家の横にある植え込みに花や野菜を植えました。息子(6才)は毎日外に出て、こまめに水やりをしています。そのうえ、家の前に生えている雑草にまで水をあげて成長を観察をしています!
「外」が近いことで、以前に比べて身近な自然を感じることが多くなったと思います。
階段は不便?

2階/3階がある というのも、戸建ての特徴です。マンションに住んでいたころは、ただでさえ子供に手がかかるのに、階段の昇り降りがあると大変だな…と思っていました。
たしかに、階段での移動は少し面倒に思うこともあります。私はズボラなので、できるだけ階段を通らないよう「2階に行くついでにこれを持って行って、2階からはあれとあれを持ってきて……」と頭をフル回転させて行動しています。
若いうちはいいですが、歳をとって体力が無くなってくると、ワンフロアのマンションのほうが便利なのかなぁ…と思ったりします。
ところが、階が分かれているということが、デメリットばかりとも限らないのです。
私の夫の話をします。夫は繊細な性質があるので、疲れていると子供が騒ぐ音がつらい時があります。そんな時には誰もいない2階に避難して、心を落ち着けています。
誰にでも、1人になって静かに過ごしたい時はあると思います。そんな時に家族と物理的に離れられるのがありがたい、と言っています。
また、来客時に見られたくない洗濯物やごちゃごちゃした物を、とりあえず2階に持って行って部屋をスッキリさせることもできます。
置き配などが気にせずできるので便利
玄関先に置き配ができるのも、戸建ての一推しポイントのひとつです。最近では宅配ボックスが設置されているマンションも多くなってきました。しかし、私たちが以前住んでいたマンションはオートロックで宅配ボックスがなく、荷物の置き配ができないのが不便でした。
戸建てだと、置き配がしやすくてとっても便利です!他にはスーパーの個別配送やヤクルトさんの配達なども、不在時、玄関先に置いてもらえるのでかなり助かっています。
自転車置き場に屋根がない
こちらは、戸建ての家すべてに当てはまることではないのですが、うちには自転車を置く場所に屋根がなく、困っています。
電動自転車を持っているのですが、濡れるとバッテリーがダメになりそうで、あまり濡らしたくありません。マンションには屋根付きの駐輪場があったので、お天気はそこまで気にしていなかったのですが…。
毎日カバーをかける余裕もなく、雨が降ったらカバーをかけるようにしているのですが、毎日のお天気チェックがなかなか大変です。カバーを忘れてうっかり自転車が濡れることもよくあります。
中古住宅に住んでみて思うこと
ここまでは主に「戸建て」の特徴について書いてきました。我が家のもうひとつの特徴は、平成初期に建てられた「中古」の住宅ということです。そこで、ここからは「中古」の家に住んでみて思ったことを紹介します。

古い家=虫が多い、というわけではない
中古住宅って、何となく虫がよく出るイメージがありませんか。
住んでみて思ったのは、すべての中古住宅に虫が多いわけではない、ということです。
私が子供のころに住んでいた当時築15年の戸建ては、とにかく虫がよく出ました。夏のお風呂にはほぼ毎日、”G”の赤ちゃんや、小さいカタツムリが…。今でも思い出すとぞわぞわするほど、数多くのトラウマ級体験をしてきました。よって、中古の家にはあまり良いイメージを持っていませんでした。
しかし、今の家にはほとんど虫が出ません。引っ越し後1年、”G”には遭遇しませんでした。たまに、外から侵入してきたであろう小さな虫は見ます。このくらいはどの家でもあると思います。
虫が怖かった私は、内覧時、前の住人に質問しました「虫、出ますか?」。住人曰く、「全然出ませんよ!」。私は、それを信じて購入しました。
ただ、購入後によく見てみると、台所の勝手口にナメクジが侵入した形跡を発見(´;ω;`)!!このときは、前の住人にだまされたか……!!と絶望しました。
虫の侵入経路は断つ!と強い意志で、勝手口はリフォームで封鎖することにしました。
リフォームの効果あってか、室内でナメクジは見たことがありません。
今思うと、虫が出る家は、建具の劣化などで隙間ができているなど、虫が侵入・生息しやすい環境になっているのだと思います。なので、購入前に建具の隙間や傷みをチェックすることが、虫が発生しやすい家かを見極めるうえで重要なことだと思っています。
設備は古い
うちは平成初期の家なので、設備は古いです。
まず、食洗機はついていません。台所の流しはたまに栓の締まりが悪くなります。ガスコンロも古く、安全装置や揚げ物の温度センサーがついていません。
給湯器は交換済み、お風呂・トイレはリフォームをしたので、こちらは特に不便なく使えています。
私たちは、家を選ぶうえで、設備の古さは特に重要視しませんでした。具合が悪くなれば交換すればいいかな〜と思っていますし、食器は大事なものを手洗いして使いたい派です。
とりあえず入居して一年は特にトラブルなく過ごすことができました。
しかし、なんといっても築27年、設備がいつ壊れるか分からないので、予期しないタイミングで修理費が発生する可能性があります。
設備トラブルに備えて、修理費を貯蓄しておく必要がありそうです。
古い家のにおいが残っている
中古物件を購入して一番想定外だったのが、におい問題です。
私は基本的には柔軟剤も使わず、無臭か、自然な香りが好きです。
今の家を内覧したとき、持ち主の、柔軟剤(?)のにおいが気になりました。30分ほど滞在しただけで、服ににおいが移るほどの強さでした。
リフォームのときにホームクリーニングをお願いしたので、においは無くなるだろうと思っていました。ところが、引き渡し時に室内に入ると、まだかなりのにおいが残っていたのです…!!私は絶望しました。
それからというもの、拭き掃除や消臭剤でひたすらにおい対策の日々……
鼻が慣れたのも幾分かあると思いますが、柔軟剤臭は、2週間ほどするとほとんどなくなりました。
ところが、その後、柔軟剤のにおいに隠れていた「古い家のにおい」が現れたのです…。
このにおいは、建具が劣化したにおいなのか、壁の中から来るにおいなのか、なかなかしぶとく、根絶が難しいのが現状です。
今では、においを強く感じる時には、お香を焚いたり消臭剤を撒いたりして対策しています。
まとめ
まずは、戸建ての家に住んで感じたことですが…、
戸建てのお家は、個人的には子育て世帯にかなりオススメです!特に、マンションと比べて隣人にそれほど気を使わなくて良いこと、外との距離が近いため、車や自転車が使いやすく、外出もしやすいことがおすすめポイントです。
デメリットとしては、子供が2〜3才頃までの特に手がかかる時期は、階段があるのが若干不便かもしれません。また、特に断熱が不十分な中古物件の場合、マンションと比べて冬の冷え込みが強いかもしれません。
中古の家に住んで感じたことは、
中古住宅は実際に住んでみないと分からないことが多いということです。
設備が古かったり、前の住人の生活感が残っているのが気になるところです。
シロアリの有無、基礎や建具の痛み具合などは、ホームインスペクションをすれば分かります。それなりに費用はかかりますが、可能であれば、購入前にホームインスペクションを受けて少しでも不安を取り除くことをお勧めします。
一方、ホームインスペクションを受けても分からないこともあります。ホームインスペクションでは天井裏や床下から見える範囲の建具や設備の調査はできますが、壁内部の状態までは見ることができません。また、わが家の場合、想定外の「におい」問題に悩むことになりました…。
私たちは中古物件を選んだことで、ホームインスペクション、断熱対策、におい対策……と様々なことに翻弄されました。中古物件は、快適に過ごすことができるようになるまで、それなりの費用と手間がかかります。
中古の家は新築と比較して安価で購入できる場合が多く、とても魅力的に感じると思います。ただし、後悔のないよう、デメリットも把握したうえで購入を検討する必要がありそうです。