リノベーションがしたくなる。「リノベ暮らしはじめました」【レビュー】

レビュー(リノベ暮らしはじめました) 参考本レビュー

サイトを作るうえで参考にした本の感想を書いていきたいと思います。

今回読んだのは、たかはしみき さんの『リノベ暮らしはじめました』。

筆者のたかはしさん一家は、自宅中古マンションのリノベーションを2度経験されています。

この本は、その時の体験談をまとめたコミックエッセイです。
リノベーションの専門書というよりは、体験談として楽しく読むのにおすすめの本です。

リフォームとリノベーションの違いとは?

私たちは、中古戸建てを買って外壁塗装・間取り変更や網戸張り替えなどの改修工事を行いました。
これらをまとめて「リフォーム」と言ってきましたが、実は間取り変更」は「プチリノベだと思っています。

ご存知の方も多いと思いますが、ここでリフォームとリノベーションの違いを紹介します。

リフォーム   :古くなった住まいの部分的、表層的な改修工事

リノベーション :間取り、内装、配管など全てをゼロから考え直し、住む人の暮らしに合わせて改修すること

つまり、リノベーションは、住宅を住む人にあわせてつくりかえ、新たな価値を生むことなのです。

リノベーションの楽しさ

今回私は間取り変更で、自分たちの理想の家を作っていく過程を経験しました。そしてそれは、大変だけれどもめちゃくちゃ楽しい!と感じました。
この本を読んで、その時の楽しさ、また大変なことも、「こんなことあったな〜」と思い出します。

物件・リノベ依頼先探し

まずは肝心な「物件探し」と、リノベーションの「業者探し」。

別々に探す場合もあれば、最近では物件探し〜リノベーションまでワンストップでやってくれる会社もあります。

物件探しは、ネットの情報だけではわからないんですよね。
気になった物件は、ひたすら内見へ。中古物件にありがちな話(外観の写真がないと思ったら、すごくボロかったとか…建ぺい率がオーバーしているので住宅ローンが組めないとか)、マンションならではのチェックポイント(共用部分の管理状態など)もあり、物件探しの難しさがよく分かります。

担当の不動産屋さんの、『中古物件のメリットはそこに住んでからの生活がイメージしやすい』(25ページ)というコメントは、一理あるな〜と感じました。

また、リノベーションは 誰に頼むか?というのが重要で、一番は『“自分たち好みの空間を実現してくれそうか”という視点で探すのがポイント』(39ページ)なんですよね。

他にも担当の方の雰囲気や予算などの条件も大事な要素になってきます。

打ち合わせが楽しい!

間取り

物件やリノベの依頼先が決まったら、いよいよ打ち合わせです。

たかはしさん家はフルリノベーションなので、物件全体の間取り決めからスタートしています。イチから決めていくって、夢が広がりますよね。

私たちの場合はごく限られた部分の間取り決め(1階浴室・洗面・トイレ、2階ランドリールーム・トイレ)でしたが、図面案を見せてもらった時には「どんな仕上がりになるのかな〜」とワクワクしました。

詳細

間取りが決まったら、部材や設備などの詳細決め!この過程が楽しいです。
天井・壁の塗装に始まり、棚やつくりつけの家具の詳細などなど…さすがに、フルリノベーションとなると決めることが多いですね…。

私たちの場合も、トイレだけで考えても色々と決めることがありました。

壁紙とクッションフロア、棚の詳細(部材、高さ、留め具の種類)、手洗い器をどうするか、などなど…

最初は白のよくある壁紙でいっか…と思っていました。でも、せっかく選べるんだからお気に入りの空間にしたい!と思い直し、サンプルをたくさん出してもらって夫とともにあれこれ悩みました。

そんな打ち合わせを経て出来上がった我が家のトイレ。
ピンクの壁紙、ハニカム柄のクッションフロア。大好きな空間に仕上がりました!

間取り変更で新しく作ったトイレ。

自分たちで作った空間で暮らすうれしさ

2件のリノベーションを経験したたかはしさんの旦那さんは、本の最後で自宅のリビングをしみじみと見て「うちのリビング好きだわー」と再確認しています

私もトイレや洗面台を使うとき、「この色いつ見ても素敵だな〜」と思ったり、棚板や洗面台の木の質感に嬉しくなったりします。

そんな愛しさがつまったマイホームをつくることができるリノベーション。これから家づくりをする人にもぜひ経験してほしいと思います。

造作洗面台

リアルなリノベーション体験談

リノベーションは、楽しいだけではなく、大変なこともありますし、想定外の事態が発生したりもします。この本ではそのあたりのリアルな話も紹介されています。

トラブル

リノベーションやリフォーム工事では、往々にして解体してみないと分からないということが発生します。

わが家の例では、階段横の壁に新しくトイレの開口部を作る計画になりました。
工事前の業者さんの話では、「開口部を作る予定の壁に、耐震補強の筋交いなどが入っている場合、壁を抜くことができません。解体してみないと分かりません。」ということでした。

ドキドキしながら業者からの報告を待ち、結果、耐震に影響する構造はありませんでした。予定通りの工事ができると聞き、ほっとしたのを覚えています。

本のなかでは、さらに衝撃的な「解体してみてびっくり」案件が発生するのですが…こちらはぜひ実際に読んでいただきたいと思います。

予算のはなし

リノベーションでは(リフォームでも同じと思いますが)理想を詰め込みすぎて、予算オーバーになるのは「よくある話」だそうで…

場合によっては、予算減額のために工夫が必要になります。

細かいところでいくと、自分たちでできる部分はDIYする(壁のペンキ塗りなど)。
さらに大幅な減額は、プラン変更を余儀なくされる場合もあり…。

現実はそう簡単にはいかないものですね。

住み替え

この本でもうひとつ参考になるのが、住み替えの話。

たかはしさんは、子供が大きくなるにつれて手狭になった1件目の住み替えを経験されています。

最初のマンションをリノベーションしたのが2004年、住み替えが9年後の2013年。
現在(2025年)とは、不動産をとりまく状況も異なるとは思いますが。

1件目の物件の選び方や、2件目ファイナンシャルプランナーさんによる住み替えする?しない?の提案は、家選びや住み替えを考えるうえで参考になる話だと思いました。

こんな方におすすめ

物件探し〜完成まで、リノベーションの楽しさ、現実を、リアルな体験談で紹介した本書。

たかはしさんの絵や分かりやすい解説で、とっつきやすい一冊になっています。

これからリノベーションをしたいと思っているリノベーションに興味はあるけど、イメージが湧かない…

そんな方におすすめの一冊です!


作品名: リノベ暮らしはじめました
著者 : たかはしみき
出版社: 株式会社新潮社
発売日: 2020年10月30日
ISBN : 978-4-10-335693-6

すー

30代半ばで、関西某所に中古戸建てを購入。
そのときの経験を伝えるべく、育児&仕事の合間をぬって執筆中。
寝かしつけ時の睡魔と日々闘っている。

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